リモートワークのコミュニケーションを効果的にする方法
書き出しからいきなり疑問が浮かんでしまった。
リモートワークとテレワークに違いはあるのか?
結論から言えば、ほぼない。
それがいつしか「遠隔地で働く、動かす」という意味でリモートワークと言われるようになっていったということ。
ただ「チームで働く」というニュアンスが込められだしたのは、リモートワークからという説もあるので、私はリモートと言っている。それだけのことで、正直どっちでもいい。
チームで仕事をするといっても、チームメンバー自体がそれぞれ別法人であったり、個人事業主なので、それぞれがSOHOとして仕事をしている。
ビデオ会議だったら見えてるのに?どういうこと?と思うかもしれない。
もう少し具体的にすると、お互いに見たい時に顔が見えるかどうか。
視線が合うかどうかの違いということだ。
オフライン状態では、相手の顔が見えない場合、「どこに行ったんだ?」と疑問が湧く。
職場では、目当ての人の隣近所にいる人に聴けば、大抵わかる。
急ぎの場合は、そこへ向かい、顔を合わせ、視線も合わせた状態で会話ができる。
リモートワーク状態では、相手の顔を見たい時にすぐに見えない場合が多いので、この解決策が使えない。
だったら繋ぎっぱなしにしてればいいではないかと思うかも知れない。しかしそれにしても「視線が合うかどうか」は解消されない。
1対1であれば、視線を合わせている感覚はあるが、3人以上の打合せになると、事情が変わる。合わせているようで合っていないのが実情で、残念ながらカメラ越しで見ている限り、これの解消方法はないだろう。
これは従来通り、メールやチャットツールでのテキストコミュニケーションで十分だ。
この際なので、リモートワーカーがチーム間でコミュニケーションを取る時に、どのようにすればスムーズにコミュニケーションができるか。皆さんのテンプレートになればと思ってまとめた。参考にしてもらえればありがたい。
【ゆるぅいルール的共有事項】
①ビデオ会議の日時を決める。
①適切なビデオ会議ツールを使う
リモートワークとテレワークに違いはあるのか?
結論から言えば、ほぼない。
➽➽リモートワークの本当の意味
最初は「離れた所で働く」という意味で、テレワークと呼ばれていたらしい。それがいつしか「遠隔地で働く、動かす」という意味でリモートワークと言われるようになっていったということ。
ただ「チームで働く」というニュアンスが込められだしたのは、リモートワークからという説もあるので、私はリモートと言っている。それだけのことで、正直どっちでもいい。
更に、今ではどっちであっても、ほぼ同じ意味で使われている。私は約20年近く、自宅を事務所にして仕事をしているので、リモートワークそのものに抵抗感や違和感はまったくない。
いずれにしてもコロナショックによって、「働き方」が変わった。
といっても前にも書いた通り、ちょっと計画が前倒しになっただけのことだ。
そして何よりも大切なことは、「チームが離れ離れになったのではない」ということだ。(2020.04.24追記)
チームで仕事をするといっても、チームメンバー自体がそれぞれ別法人であったり、個人事業主なので、それぞれがSOHOとして仕事をしている。
そして現在の「クライアントと共に進める」スタイルに変えてからは、現場に赴いていない時は、クライアント側から見ると、私がリモートワーカーになっているようなものだとも思える。(2020.04.24追記)ずっとリモートワーク(オンライン)とオフラインでの会議・研修というスタイルの切り替えと繰り返しで仕事をしてきたので、オンラインとオフラインにおけるコミュニケーションの違いは理解しているつもりだ。
➽➽オフラインとオンラインの大きな違い
理解しておかねばならない「違い」は「顔」が見えるかどうかだけだ。ビデオ会議だったら見えてるのに?どういうこと?と思うかもしれない。
もう少し具体的にすると、お互いに見たい時に顔が見えるかどうか。
視線が合うかどうかの違いということだ。
オフライン状態では、相手の顔が見えない場合、「どこに行ったんだ?」と疑問が湧く。
職場では、目当ての人の隣近所にいる人に聴けば、大抵わかる。
急ぎの場合は、そこへ向かい、顔を合わせ、視線も合わせた状態で会話ができる。
リモートワーク状態では、相手の顔を見たい時にすぐに見えない場合が多いので、この解決策が使えない。
だったら繋ぎっぱなしにしてればいいではないかと思うかも知れない。しかしそれにしても「視線が合うかどうか」は解消されない。
1対1であれば、視線を合わせている感覚はあるが、3人以上の打合せになると、事情が変わる。合わせているようで合っていないのが実情で、残念ながらカメラ越しで見ている限り、これの解消方法はないだろう。
せいぜいがテレビ番組でやっているように、誰か第三者が視聴者のように見ているという前提で、お互いの位置を決めておいて、そちらに顔を向けて会話するといった程度で、実際に視線が合っているわけではない。これだけは実感覚に近づける方法は今のところない。では、わざわざ顔を見て話すほどのことでもない内容であった場合はどうだろうか?
これを解消できるオンライン会議ツールができれば、大きな変革になるだろうけども。(2020.04.24追記)
これは従来通り、メールやチャットツールでのテキストコミュニケーションで十分だ。
➽約20年間で取捨選択してきたコミュニケーション方法
上記のような「違い」を感じながらも、私自身の中でリモートワーク時(特にチームとして動く時)の一定の方法がいつしかできていたことに最近になって気づいた。この際なので、リモートワーカーがチーム間でコミュニケーションを取る時に、どのようにすればスムーズにコミュニケーションができるか。皆さんのテンプレートになればと思ってまとめた。参考にしてもらえればありがたい。
➽➽リモートワークでのコミュニケーションを効果的なものにする方法
リモートワーカーのことを最大限配慮しておくことは言うまでもない。
彼等は職場で働いているわけではない。なんだかんだと自宅内で用事が発生し、仕事が思うように進まない場合もある。まずはこれを理解しておく。
例えば小さな子供がいる、ペットを飼っている、家事をしなくてはならない、宅配便が来るなどの職場では見えないことがたくさんある。これらはリモートワークをしている同士なら想像はつくはずだ。想像がつけば、気遣うこともできるだろう。
まずはこの「相手を配慮すること」がスタート地点。
さて、効果的なものにする方法といっても構えるほどのことではない。
誰もが知っていることやオフラインでやっていることに、少しオンラインならではのコツを足すだけだ。
以下はその目次というか見出し。
1)コミュニケーション手段を予め決めておく
2)7割の事前準備をしておく
3)ビデオ会議・打合せをマネジメントする
4)テキストコミュニケーションでの注意点
以下に順を追って解説する。
➽1)コミュニケーション手段を予め決めておく
以下は私がクライアントの各プロジェクトで、ゆるぅく共有していることだ。チームの中で手段を決めておくと良いが、ガチガチにすると、それだけでお互い苛立つことになる。
コミュニケーションのルールはゆるい感じにしておくことがポイント。
しっかり決める必要がある場合は、都度、「日時・要件・行為・手段」を必ず共有する(約束レベル)。
例えば「4月24日15時30分、Aプロジェクトの阻害要因について、解消方法を考えて、電話する」といった具合だ。
以下は、そのゆるぅいルール的共有事項
①超急ぎの場合は、電話
そのタイミングで相手からのレスポンスが得られなければ、前に進められないといった急ぎの場合に限る。まさしく「至急」これ以外は電話をしないようにする。
但し本当は2~3日以上の余裕があるにも関わらず、忘れていたために、急なギリギリ電話になってしまうこともある。そうならないようにするには早め早めにタスクを進めていくことだ。-50歳を過ぎた部次長クラスにギリギリ電話が多く見られる(私自身のことも含めて、経験による)(2020.04.24追記)
②数時間~1日以内にレスポンスが欲しい場合はチャット
それなりに時間的余裕がある場合は、チャットツールで相手に送信しておく。
但し場合によっては、相手からの電話になる場合もあるし、メールになる場合もあることもOKとしておく。
時々スマホの通知設定を外していたことを忘れていて・パソコンが故障していて・バッテリー切れで見逃したなどという人がいるが、それは論外だ。例えそれが事実であっても、新型コロナの影響で、半ば強制的であったとしても、会社としてリモートワークを導入したのだ。リモートワーカーをとっては、それらの言い訳めいたものは、もはやあり得ないことで、雑な扱いをされていると印象をもつことになるので要注意。これはチームメンバー間でも同じく言える。 ちなみに私は、その用件についての会話を終える時は、チャットツールにおいては、必ず「いいね」アイコンやそれに準ずる絵文字を送信するようにしている。これは、ほぼ世界中の人が、多分暗黙知としてやっているような気がするし、マナーレベルになっているのかも知れないとさえ思う。(2020.04.24追記)
③2日~3日程度の余裕がある場合は、メール
2~3日の余裕があるというのは、こちらの都合で判断することではない。
あくまで相手を配慮した上で、こちらの都合をかぶせた場合の日数だ。
但し、ここで大事なことは、必ず「返答がほしい」旨と期限を明記しておくことだ。
それでもレスポンスがない場合は、再度メールで送れば良い。
私にメールが来て、2~3日で返答できそうにない場合は、そのままにせず、「いつなら明確な回答を送れるか」を送るようにしている。つまり1週間、10日とかかりそうな場合は、その旨をまず返信するようにしている。
④1対1ビデオ会議のコツ
自分が話す場合も、聞いている場合も、可能な限り、カメラに視線を合わせる。
それだけだ。相手の顔も見えやすいように、カメラに最も近いところに相手が映っている画面を位置づけておく。それでは資料の参照に邪魔になるということなら、資料を相手画面の上に重ねるか、どちらかを諦める。
ノートPCであっても、サブディスプレイをつけるなりすると、この問題は解消される。
ちなみに、「スマホやタブレットをサブディスプレイにする」で検索すると方法はたくさん出てくる。
サブディスプレイがあると作業をするにも非常に便利だ。(2020.04.24追記)
⑤定期的にメンバーの状況把握するための連絡は1対1の電話かビデオ通話
これはリーダーが定期的に受ける報・連・相と雑談タイムのために使うと良い。
どちらかというと上記①~③で報・連・相のほとんどが終わっているので、7~8割が雑談になる。お互いの近況でも、なんでも良い。長くても10分程度で十分だろう。
リモートワーカーは、慣れていないうちは、急に在宅で仕事をすることになり、始めのうちは生産性が上がり、リモートも悪くないと思う。やがて独り言を言っている自分に気づく人も出てくる 、孤独を感じがちだ。一人暮らしなら尚更で、メンタルがやられてしまう場合がある。お互いのケアのためにも絶対に必要なことだ。(2020.04.24追記)
➽2)7割の事前準備をしておく
1対1であろうが、複数人のビデオ会議だろうが、基本的な事前準備は、オフライン時となんら変わらない。
事前準備をしておく目的は、オフラインと同じで会議の生産性を上げるためだ。
リーダーが決めることになるが、重要なことは、より多くのメンバーが参加できる日時に会議を設定することだ。
オフラインの会議と違って、在宅は上記したようにそれぞれの事情によって、参加しやすい時間帯が違う場合がある。
可能な限り最大公約数的な日時時間を設定する。
注意したいのは、リモートワーカーと会議日をたくさん持たないようにすること。
可能な限り1日の中で一定時間で消化できるよう設計する。
②議題を決めて知らせる。
最初だけ議題候補をチャットで送る。更に追加議題のリクエストを受付け、優先順位の高いものを決定した上で、メンバーにメールを添付資料も含めて送信する。いわゆる会議のお知らせに他ならない。
このお知らせは、使用するビデオ会議ツールの通知機能を使えば良い。
最近のビデオ会議ツールは随分便利になったものだ。
資料を添付することも同時に行えば、その会議に関する全てを1ヶ所で確認できる。(2020.04.24.追記)
会議は1回1議題最大1時間、1日の中で3回までと決める。つまり1時間議論して、30分休んで、また1時間議論するといった流れで設計すると良い。30分の休憩時間に頭の中で直前の会議内容が整理される効果を期待してのものだ。また長時間、人の顔を、それも真正面の顔を見るのは、想像しているより疲れるものだ。
③メンバーは議題や添付資料に目を通し、考えておく。
メンバーは議題と添付資料に目を通し、自分の自分の考えや情報を「メモ帳」にテキスト入力しておく。意見を求められた時に、すかさずコピペをすれば、それだけで会議の生産性はあがる。あるいは提出資料を作成して、その場で共有する準備をしておく。
これもオフラインの会議となんら変わりはない。
リーダーもメンバーも完璧に準備をするというより、7割程度で十分で、残り3割は議論して決めていくつもりでやると良い。
ちなみに3割の目安は「自分の中で、どうしてもまとまらないこと/わからないこと/判断できないこと/聞いておきたいこと」などだ。
➽3)ビデオ会議・打合せをマネジメントする
オンラインでのビデオ会議や打合せで最も注意したいことは、相手に対する配慮することから始まるということは冒頭に書いた通り。その上で、以下は更にビデオ会議を効果的にするための5つの手順だ。
全てのコミュニケーションに必要な機能を持つ安価なツールはない。
なんでもかんでも一つのツールでやる必要は全くない。使い分ける。
結果としてITスキルやリテラシーも高まるだろう。
結果としてITスキルやリテラシーも高まるだろう。
複数人で資料を見ながら会議するのであれば、ビデオ会議ツール
1対1で資料を使わないのであれば、電話でも可能だし、顔を見たいだけであれば、メッセージアプリのビデオ通話機能を使えばよいことだ。
邪魔くさがってやるかやらないかだけの問題だ。
②マイク・ミュートを駆使する
ビデオ会議ツールには画面上にマイクアイコンがある。
これをクリックまたはタップして、自分が発言いない時はミュート、発言する時はミュート解除する。そうすることで、誰が何を言っているかわからないということは防げる。
オフライン会議と違って、隣に人がいないので、他者の話しを聞いている時、つい独り言が出る人は意外に多い。マイクは独り言かどうかを判別してくれるわけではないので、全部拾ってしまい、ダダ漏れになる。もし全員が独り言を言ったら、聞こえてくるのは、ほぼ雑音。議論があらぬ方向に進み、収拾がつきにくい。最初のうちは、面倒だし、怠りがちなので注意したい。
③人称代名詞は使わないようにする
オンラインでは、あなた、君、といった人称代名詞を使うことを極力さける。
例えばオフライン会議でリーダーが以下のように言ったとしよう。
「Aさん、さきほどのBさんの意見について、君の意見を聴かせてください」
これをオンラインのビデオ会議では、リーダーは以下のように言う
「Aさん、Bさんの◯◯◯◯◯◯◯という意見について、Aさんの意見を聴かせてください」といった具合だ。◯◯◯◯◯◯◯のところはBさんの反復をすることで、Bさんの意見を受け止めているサインとなる。こうする理由は、冒頭の「オフラインとオンラインの大きな違い」に書いた通りだ。これぐらいしか対策は今のところない。
④反応は普段より少しオーバーにする
オンライン会議でやる場合、人数が増えれば、一人ひとりの顔が小さくなる。
普段から反応が薄い人は、静止画を貼り付けているのかと思えるほどになる。
発言していない時にマイクミュートしているので、相槌は聞こえない。
話している人にとっては、聞いてくれているかどうかわかりづらい。
そこで、うなづきは普段よりもオーバーにすることで、あなたの話しを聞いているというサインとして伝わりやすい。ただ人数があまり多いと回線トラフィックの関係で、画面がフリーズしてしまう人もいる。
私のクライアントには、オフライン会議であっても、多少オーバーアクションをすることはお勧めしている。なかなかできずにいるようではあるが・・・。
また最近のビデオ会議ツールの画面は、圧縮技術が進んだせいか、多人数でもフリーズすることは少ないようだ。(2020.04.24追記)
⑤オンライン会議の議事録は必ず残す
できればオンライン会議でのドキュメントは共同作業にするなどにする方がいい。
最終的なものを、それぞれが自分でダウンロードすれば、後に共有する手間が省ける
共同作業ができないビデオ会議ツールの場合は、誰かが記録を取るようにし、後でメンバーと共有する。
➽4)テキストコミュニケーションでの注意点
テキストコミュニケーションといえば、前述した通り、基本的にはメールとチャットツールになるだろう。
これにはビデオ会議ツールに付帯しているチャット機能やSNSのグループも含められる。
ビデオ会議を使っていない時は、本当に「顔」が見えないことによる落とし穴があるので注意したいことがいくつかある。
ほとんどの場合、上記の「ゆるぅいルール的共有事項」に書いたことでクリアできる。
これに各自の姿勢として以下に留意するとお互いに「顔」が見えないことから派生するイライラは軽減できる。
①業務内容に関する報・連・相は確実に行う。
報・連・相について、少し簡単におさらいをしておく。これはクライアントのセッションでも、常々伝えていることだ。
そもそも報告とは、「上司・リーダーからの指示・命令・依頼に対して、部下・メンバーから進捗状況や結果を共有する行為。あるいは上司・リーダーから進捗状況を共有する行為」である。報告は上司が受けるものと捉えられているが、それはもはや錯覚でしかない。部下やメンバーも上司からの進捗状況の報告は欲しいのだ。それで全体像がつかめるというものだ。
次に、そもそも連絡とは、「関係者全員に事実や決定事項を周知する行為」これも然るべき人がやることであって、部下やメンバーだけが上司・リーダーにするものだと勘違いしている人が多い。
そして、そもそも相談とは、「関係者に相談することで判断に足る材料を増やし、正しい判断ができるようにする行為」これも上下関係なく、必要であればやれば良い。
以上のように、携わっている業務に関してタスクが完了した、成果物ができた、状況に変化が起きた、迷うことが生じたといった時に、都度、報・連・相をすることだ。何度もいうが、これはメンバーも上司も関係なくだ。
特に「顔」が見えず報・連・相がなされていない状態が続くと、上司やリーダーは次第に「きちんと働いているのか?」という疑問を持ちはじめ、部下やメンバーは「私のことを気に留めてくれているのか?」という疑問を持ち始め、互いに疑心暗鬼になり、関係性に影響する。これは避けたい。これは私の経験から言っても断言しておく。
②自身の本日の予定を積極的に共有カレンダーに入れておく
上司やリーダーは、とかく部下やメンバーに素早いレスポンスを期待する。
私もその傾向が強くあり、メンバーを辟易させてしまうことが多々ある。
社内にいれば、メンバーの状況は見ればわかるので、多少は待てる。
そして立場が逆でも同じような状態になる。
ところが「顔」が見えない状態だと、大丈夫か?と心配になる。
そこで、おおよそでもその時何をしているかを共有カレンダーに入力しておくことで、この心配は軽減できることになる。
業務を開始する最初の段階で、今日一日の予定を可能な限り入力して共有できるようにしておくことをお勧めする。
③素早いレスポンスを求めず、素早いレスポンスをする
オフィスやオフライン状態では、相手の様子を見て「忙しそうだから、後にしよう」や「今は話しかけない方がいい」と判断できる。
ところが、リモートワーカーは、相手の顔が見えないので、そもそもそういった判断ができない。相手のレスポンスが遅くても、焦らないようにする。
これも上記した「ゆるぅいルール的共有事項」である程度は軽減はできる。
一方で、自分は可能な限り素早くレスポンスを心がける。
素早いレスポンスは、テキストチャットでの関係性維持・構築には大きく影響するというのが私の経験からの結論だ。
リモートワーカーにとってスムーズに仕事ができるというのは、素早いレスポンスがあるかどうかにかかっているが、ゆるさは残しておくことが肝要だ。
④ニュアンスを伝える工夫
言葉のニュアンスを伝えるには、語彙力が求められることになるが、図や写真、資料を添付することで伝わりやすくなる。
また、仲間うちで使っている言葉(符丁)を使えば、ニュアンスの伝達率は高まる。
反対に関係性の薄い人に、符丁を多用すると「???」の連続になる。
さらにここで落とし穴がある。テキストでのやり取りは、感謝やお礼の言葉をお手軽に出る、それがいつしか自動反射的になってくることがある。
感謝やお礼を伝える表現をいくつか持っておき、使い分けていくことも必要だ。
⑤相手の表現に感情的にならず、自分は丁寧さを心がける
テキストには感情や表情といったものが乗せにくい。
例えばチャットで、誰かの発言に対して、あいずちとして「それで?」と返したとする。
ある程度関係性がある場合、この「それで?」に含まれる感情やニュアンスは読み取れるが、関係性が薄い場合は、もしかすると興味がないのか?呆れているのか?単に話しを促しているのか、判然としない場合がある。
判然としない場合、人間は「否定バイアス」というものを本質的に持っているので、感情的になってしまい、テキスト上とはいえ、相手を責めるようなチャットになる場合がある。絵文字やアイコンを使っていけば、こういった感情をうまく表現できたりもする。会社によっては禁止するところもあるが、それによってガチガチになったところで得るものはないだろう。(2020.04.24追記)
一方で、自分が入力する場合は、丁寧さを心がける。
但し関係性がある程度確立できている場合は、フランクな言葉遣いでも大丈夫だろう。
それでも、しゃべり言葉はできるだけ避けて、書き言葉で表すようにしてもらいたいところだ。
⑥まずい状況になりそうな時は即電話する
テキストコミュニケーションでリモートワークを進めていくと、言葉の行き違い、勘違いで、気まずい雰囲気になる場合がある。こういう怒りや悲しみといった否定的感情を持った時に限って、テキストに感情がや表情といったものが現れるので不思議だ。
そんな時は、危険信号である。即座に相手に電話するなり、ビデオ通話を招待して、理解のズレやや誤解を解く。
これは、こじれてから回復するより、こじれる前に手を打つ。
風邪ひき始めと同じ対処だと思って、後回しにはしないようにしたいところだ。
以上が約20年で培ってきたオンラインでのコミュニケーションの私なりにやっている効果的な方法だ。重ねていうが、オフラインで使っているコミュニケーションと何が違うか?といえば、相手の「顔」がカメラ越しに見えていても、実際は見えない状態にあるということだ。特にビデオ会議の場合は要注意だ。
「相手に配慮すること」これはコミュニケーションそのものの原点ではあるが、それがさらに要求される。
今後、このリモートワーク(テレワーク)というものは、どんどん進化していくと思われる。そんな中でも、コミュニケーションを効果的なものにするにはどうすればいいか?の問いを持ち続け、「ゆるぅいルール的共有事項」をさらに改良していくつもりだ。
この記事は2017年8月10日に書いたものに、2020年4月24日時点で追記したものです。当時はビデオ会議ツールといえば、Skypeが最も敷居が低く、使っていました。この記事もSkype中心に書いています。最近ではZOOMやGAFAMそれぞれのビデオ会議サービス、日本発のものも出揃っています。
どれも一長一短があります。テキストコミュニケーションに限れば、一頃流行った社内SNSというものもあります。
どれを使うかは、運用目的や運用方法と使う人のスキルによると思いますが、要は慣れです。
私自身のことをいえば、パソコン通信時代のチャットでテキストコミュニケーションの難しさを知りました。さらに本音を言えば、昭和生まれなのに、電話が嫌いです。なのでビデオ会議も嫌いな人間です。できることならテキストで全て済ませたいさえ思っています。
しかし、新型コロナの影響で、そうも言えない状況になってきました。
多分に、この状態が続くと考え、後ろ向きになりそうな気持ちを脇に置き、前に進めていくことにしています。