代表者からの配慮あるメッセージ
新型コロナウィルスの感染拡大
一日も早く終息してほしいと思う毎日が続いています。
●専門家会議の報告での「事業者の方へのお願い」
3月9日の専門家会議の報告の中で、事業者に対するリクエストとして、ほんの僅かでしたが、「取組状況を積極的に社会に知らせていただきたい」という旨のメッセージがありました。専門家会議からの「事業者の方へのお願い」
4ページの最後の段落です。
おそらく3月19日の夜の報告でも同じ旨がメッセージされると思われます。
このリクエストに対し、いくつかの企業では、自社での取組状況をホームページなどを通じて発表しています。
しかし、あまりリクエストに応じられていないように思えます。
ほとんどの場合、自社内での取組状況に留まっています。
もちろん、社員・従業員を守るというのは第一で、特にサービス業においては、顧客を守ることにつながることは言うまでもありません。
ただ、顧客に向けたメッセージになっていないものが多々見受けられることが残念に思えます。
多くの場合、このような状況なので、「ご理解、ご協力のほどをお願いします」に留まっています。
顧客の立場からすると、信頼している企業であればあるほど、更にもう一歩、顧客寄りのメッセージが欲しいところです。
ビジネスを続けていく以上、売上も利益も確保していかねばなりません。
しかし現在の経済は、厳しい方向にあり、誰もがその厳しさに直面しています。
そういう状況であることは専門家会議の方々もわかっているでしょう。
わかっているからこそのリクエストではなかったかと思えます。
<2020.03.20追記>
3月19日の報告では、同旨のリクエストはありませんでしたが、引き続き、どのような予防措置をとっているのかのリリースと更新は、必要であると捉えておくことは求められていると思います。詳しくはこちら。P17に「事業者の皆様へのお願い」としてまとめてあります。
●何が求められているのか?
ここで求められている取組状況の発表というものがどういうものが求められているのかを考えみました。事業別あるいは取組プロセス別です。
特にサービス業や対面型販売スタイルのビジネスにおいては、プロセス別に顧客体験が伴いますので、これがもっとも重要となります。
そして取組内容に変更があれば、随時更新し、リリースしていくことも必要です。
また何よりも、緊急事態と同義状態ですので、代表者名義でリリースすることがメッセージたらしめることになります。
マリオットホテルからのメール
昨夜、マリオットインターナショナルホテルのCEOからメールが来ました。その内容はブログにも書かれていますが、顧客として、とても安心できるものでした。
これ↓↓です。
マリオネット・インターナショナルからのメッセージ
かいつまむと、以下の内容が書かれています。
①会社の価値観に基づいて、事業を続けていること
②現在の状況に対して、WHO、CDC、保健衛生所の指導に基づき予防対策を講じていること。
③顧客への配慮と感謝の意
④予約時の対応--適切な安全衛生措置の強化
⑤滞在前のキャンセルポリシーの変更--規定を外して全てのキャンセルに違約金なし
⑥滞在中の対応--全客室、全備品、バックヤード、公共スペースでの衛生管理
⑦会員ランク別特典への対応--特典変更は、時期尚早として、変更なし
●顧客への配慮があるかないか
特に③の顧客への配慮と感謝の意が際立っていました。みんな大変だから、ご理解とご協力をお願いしますといったものではなく、あくまで顧客に対する姿勢を示しているものでした。
その姿勢により、私にとっては、キャンセルポリシーやランク別特典というものは、おまけのようにも見えました。
もちろんマリオットホテルは、この2つについても相当議論したことは想像がつきます。
この①~⑦をテンプレートとして、メッセージの打ち出してみてはどうだろうか。
顧客への配慮あるメッセージを打ち出すことは、代表者のリーダーシップのひとつでしょう。
中小企業であれば、ここまで書く必要はないと思われるかもしれません。
リリースしたところで、顧客の期待に達していない場合、クレームになるかもしれません。
しかし、顧客に対する「配慮なきメッセージ」は右にならえのものにしか見えないものとなり、顧客自身に向けられたメッセージとして受け取ることは少ないのではないかと思えるのです。
配慮しているからこそ、自粛したり、時短に取組んでいるのだと言われそうですが、
その配慮が顧客の心にもし届いていないのであれば、文章の表し方に工夫が必要なのでしょう。
民間企業ができる対策そのものは、現在の所、個人ができることと大きく変わることではありません。
顧客を元気づけることにつながるメッセージの鍵は、「配慮」があるかないかではないかと考えています。