「新たな日常」に向けて準備を始める

➽➽アフター・コロナ、ウィズ・コロナ 

2020年5月4日、緊急事態宣言の期間は延長され5月31日までとなりました。
そして「新たな日常」という言葉が出てきました。
F.コトラー教授の「ニュー・ノーマル=新常態」の意訳でしょう。
加えて新しい生活様式」というものも具体例とともに示されました。

大切なことは具体例に示されていることだけをやればOKということではなく、「新しい生活様式」を模索していくことでしょう。
あまり嬉しい表現ではありませんが、私は「with Corona - コロナと共生していく」と解釈しています。つまり元の状態に戻ることはないと捉えています。

NEW Normal











企業活動においてはどうか?

F.コトラー教授はニューノーマルに向かう3つの選択肢を示しました。
今後を考えたとき、経営者には3つの選択肢があるだろう。
1つ⽬はそれまでやってきたことを継続するという⽅法だ。
2つ⽬は新しい戦略に移⾏することが考えられる。
3つ⽬は経営することをあきらめ、会社を売却したり、場合によっては破産したりすることだ。---F.コトラー「NEW NORMAL」
ニューノーマル、新たな日常のなかで、どのように舵取りをしていくかを考えると、選択肢は2だけでしょう。
1つ目は、状況が変わっても何も変えないということで、これはもう通用しないことは誰もが理解していることです。それでもやり続けるには、相当な体力が必要となるでしょう。
3つ目は最後の最後の手段でしかなく、およそ戦略的ではないのは誰の目にも避けたいことというのは明らかでしょう。

では、ニューノーマルに向けて、どのように進めていくことになるのか?

➽ニューノーマルに向けてのステップ

ニューノーマルに向けてのステップとしては、以下の4つを観察・把握し、整理し、定義していくことが必要だと考えています。

①NEW Situation(新たな状況)※まさに現在我々が置かれている状況です。
 今、どんな状況に置かれているのか?
 今後、どんな状況になっていくのか?

②NEW Changes(新たな変更・変化) 
 何を何にどのように変えたのか? 
 何を何にどのように変えていくのか?

③NEW Results(新たな成果)
 どのような成果、どれぐらいの成果を生み出せたのか?
 どのような成果、どれぐらいの成果を生み出せるのか?

④NEW Normal(新たな通常=新常態) 
 生み出した(生みだす)成果を積み重ね、いかに定着させていくか?

私は、以上の4ステップが社会に求められ、企業の「新」を創り出していく、大きな問いだと考えています。

【2020.07.29追記】
ニューノーマルに向けてのステップの詳細をこちらにまとめました。

さて、ここから以下は、私のクライアント向けに書いていきますが、そうでない企業にとっても参考になれば幸いです。

➽➽対応したことを整理する

今後、自社がどのようにニューノーマル「新たな日常」に向かっていくのか、その方針を検討し始めていきたいところです。
検討することは必要ですが、まずわかりやすいところから取り掛かりましょう。

➽基本方針を固めるための材料を整理

アフターコロナの基本方針を固めるために、要請に対する出勤・勤務体制に関わる自社の対応をまとめておきましょう。
これは上記のステップ①~②に相当するものです。(範囲は限定していますが)
この整理の目的は、会社の今後の基本方針とBCP再構築を考える上での材料づくりです。

そして、この整理は現在の経営者や役員が中心となってやるよりも、次世代経営者と目される方やそれに準ずる方々で進めることをお勧めします。
トレーニングの一つでもあると捉えていただければと考えています。
このトレーニングを通じて、上下間のコミュニケーションの一助になればとも考えています。

➽整理する内容
さて、まず取り掛かる内容です。
今回の働き方への要請に対する企業側の受取りニュアンスはどんどん変わっていきました。

【働き方に関する要請への受取りニュアンスの変化】
全体的には、以下の流れのように、要請内容に対する企業側の受取りニュアンスが変化していきました。これは取りも直さずベースとして協力意識があったからだと思えます。

①「時差出勤推奨、在宅勤務可能化推奨」の受取ニュアンス
  最初の段階です。欧米でロッダウンが出た頃です。3月中旬。

②「在宅勤務を推奨」の受取ニュアンスに変化。
 3蜜回避と定義された頃です。3月下旬から4月初頭。

③「原則、在宅勤務への要請」の受取ニュアンスに変化
 4月7日緊急事態宣言発出以降です。

④「出社禁止」という強めの受取ニュアンスに変化。
「ソーシャルディスタンス」と強調され始めた頃です。4月13日辺り。

以上の4つの受取ニュアンスの変化を縦列に入力し、以下を横軸にした表をつくりましょう。

これらのニュアンス変化に対して、自社として、「いつ」対応したのか? 「具体的にどうしたか?」を整理しておきましょう。
具体的なところには、特に実行内容と決定までのプロセス(社内会議など)も含めて、まとめておきましょう。
これによって、自社の対応スピードが推し量れます。
また今振り返ってみると、追加しておいた方が良いプロセスや不要と思えるプロセスが明確になるかも知れません。BCPを再構築する上でも欠かせないものだと考えています。
色分けをするなどをして、整理しておくと良いでしょう。

最後になりますが、作成したものをオンラインセッションで共有しましょう。


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