2021年 謹賀新年 新常態への本格的スタート

新年、明けましておめでとうございます。
昨年はいつもとは全く違った日々の連続でした。
弊社の仕事はずっとオンラインのみの対応でしたが、それでも続けさせていただけたことは、新たな仕事の取り組みの構築のお手伝いになったのではないかと捉えております。クライアントの皆様には、お礼を申し上げるとともに、とても大切な思いを共有させていただけたと感じております。

➽➽不確実ではない時代はなかった

かつてない不確実な環境下で2021年が始まると言われています。
では不確実でない時代というのは、本当にあったのか?
最初にこの疑問が浮かびました。
少なくとも私が学生の頃に流行ったJ・ガルブレイス著「不確実性の時代」以降、一度も確実な時代はなかったのではないかと思えます。

➽「どうにもならない」と「異質な不確実性」

さらにコロナ禍により、個人の生活も企業の活動も一変しました。
我々が置かれている現在の状況は、人の流動性を高めて経済を活性化し、感染が拡大すると防止に切り替えるという極端な振り幅を持ち、これこそが、"Nothing can be done"(どうにもならない。)と分断の流れを強化するように思えてなりません。

2020ニューノーマルへの本格的スタート

これまでとは異質な不確実性の中に生きているのだと思えます。
本当のVUCAな時代になってしまったということです。
そして「一年経った」ということだけであって、「どうにもならない」といえるほどの経験値を積んではいないのも事実でしょう。
経済活動というアクセルと感染拡大防止というブレーキは、今のやり方とは違う全く違うやり方が存在し、それは誰もが全く経験したことのない、変えられないとされてきたものの中にこそあり、これが新常態(ニューノーマル)の正体であるのかもしれません。それがどんなものか、誰もまだ見つけていません。
意外に単純な答えかも知れないとも考えています。

➽変えられないという選択肢はないかもしれない

従来ならば、変えられるものと変えられないものがはっきりと分かれていました。
テレワークひとつとってもわかるように、変えられるものであっても変えられないとしてきたのは、我々の感情や思い込みに過ぎないものでした。
それでも変えられないものは本当にあるのか?多分あるでしょう。
あるでしょうが、本当に変えられないものかどうかを今一度吟味してみるのもひとつでしょう。少なくとも今とは違う前進の道が見えてくるはずです。

「ウィズコロナ」はあるにしても、「アフターコロナ」の時代は果たして訪れるのでしょうか。
その答えはわかりませんが、ニューノーマルに向けて変革に伴うリスクを恐れず、事業のプロセス、企業の体質、あるいは生き方や働き方を根本から見直そうとチャレンジしている企業があります。

このニューノーマルの正体を突破できる答えを持つ者が、どこかに現れてくるのかもしれません。
しかし、それを待っているだけに留まらず、我々は目の前の課題と遠い先を見越した課題に取り組んでいかねばなりません。それを忘れてしまった企業や人に進歩はないでしょう。

➽ナウシカの回答は何を意味するのか?

2020年末にテレビでアニメ映画版「風の谷のナウシカ」が放送されていました。
数回観た記憶はありますが、今回はなんとなくクリスマス気分で観ていて、放送されたアニメ映画版と漫画版「風の谷のナウシカ」とではエンディングが違うことを思い出した途端、浮かれ気分も吹き飛びました。
風の谷のナウシカ©スタジオ・ジブリ


アニメ映画版はハッピーエンドで終わりますが、漫画版では、さらに過酷な未来が待ち受けており、文明が失われた世界が描かれています。
猛毒の大気を撒き散らす菌類の森=腐海が人類の生存を脅かし、その腐海が拡大していく。そこは現代と同じマスクなしでは生きていけない世界。
描かれているのは、拡大し続ける新型コロナウィルスに対する現在の我々と同じように、不安や怒りがうずまく人々の表情。
その最終局面で、ナウシカは、失われた文明の一部を発見します。
人々は喜びます。「これで元に戻れる」と。
しかしナウシカは、これを破壊してしまいます。
これがナウシカの文明に対する回答でした。
果たしてこの「破壊」の意味は何であったのか。

この年末年始はいくつもいくつも疑問が浮かび、その疑問に何一つ自分なりの回答を出せない、気持ちの悪い時間を過ごすことになってしまいました。

「一年経った」という事実とそれほどの経験値を積んでいないということ。
変えられないとしてきたことにこそ、もしかすると、ニューノーマルの正体が潜んでいるということ。
この2つを得ただけでも、気持ち悪さも無駄にはなっていないということだろうと考えています。

今年も、弊社は、クライアントの皆様と共に、この不確実な海を漕ぎ進むために、リーダーシップとコーチングをベースに課題解決と事業支援を行ってまいります。

本年もよろしくお願いします。

2021年1月1日 
株式会社ガンビー・コミュニケーション
代表取締役 吉尾直記

2020.01.02追記
1月2日の午後、関東圏の各知事が共同で政府に対し「緊急事態宣言の発出要請」を行いました。
果たしてこれが、どれほどの効力を持って、感染拡大を抑制できるでしょうか。
続くワクチンや治療薬はどこまで感染の連鎖を断ち切れるでしょうか。
変えられないとしてきたものに手をつけて変えない限り、激しい振子が繰り返されるように思えます。


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